霊夢の心境

透「1日ぶりに霊夢の飯を食うけど旨いな。」

霊夢「咲夜の方が美味しいと思うけど?」

今は居間で朝のカロリー摂取を取っていた。

透「確かに、咲夜の料理も美味しかったよ。でも、何ていうか……こっちの方が落ち着くんだよな。」

霊夢「そう、なの?(…ポ)」

透「あぁ。紅魔館の食べ方より、こうやって霊夢と喋りながら食べる方が俺は好きだな。……まぁ、俺の家では和食だからそれもあるのかな?」

霊夢「(ボン!)……へ、へぇ~、そうなんだ。」

(何でもじもじしてるだ?……まぁ、いいや食べよ。)

霊夢「そ、そうだ!透、今日何か用事ある?」

透「用事?…いや、なに」

霊夢「無いのね!? じゃあ、早く食べて準備をしましょう。」

返事も最後まで聞かずに霊夢は朝食を食べ、奥の方に行ってしまった。

(やれやれ。昨日といい今日といい、疲れそうだな。……でも、楽しくなりそうだな。)



俺が食べ終え、食器を洗っていると霊夢がバッグをぶら下げて入って来た。

霊夢「ちょっと、どいてくれない?」

透「少し待ってくれないか?まだ、洗い終わっていないんだ。」

霊夢「今から使うから、別に良いわよ。」

透「いや、しかし…」

霊夢「い・い・から! 早く出て行きなさい!!」

霊夢に背中を押されるが……最後まで抵抗してみる。

透「じ、じゃあ、その準備を手伝うのは?」

霊夢「ダメ!絶対にダメ!!……だったら、神社の境内を掃除してきて。」

それだけ言われると流石に気まずくなってその場を離れた。

(仕方ないな。境内の掃除をするか。)




境内の掃除をしている最中にふと空を見ると太陽が暖かい光が出していた。

(暖かいな。そして平和だ。こんな風にのんびりしていられたらどれだけ幸せかな?)

すると、霊夢がやってきた。

霊夢「掃除は終わった?…まぁ、終わって無くても良いけどね。……さぁ、行くわよ。」

透「行く?どこへ? そして、掃除は終わってないし、神社を留守にして良いのか?」

霊夢「全ての問いの答えは、大丈夫よ。場所はお楽しみよ。」

透「分かった。じゃあ行くか。」

霊夢「えぇ。ピクニックとでも思って楽しみましょ。」

(ピクニック、か。だったら、考えずに霊夢の後をついていって楽しもう。)

(何で、私……こんなに嬉しいんだろう?)







移動しながら、霊夢は考えていた。 どうして透を誘って外出してしまったのか。

本当は買い物に行くから、荷物運びをさせるつもりであった。ピクニックなんて言ったのは昨日、魔理沙が置いていった手紙が原因なのかもしれない。

『透は借りてくぜ。大丈夫、絶対に返すから!! じゃあな。
by魔理沙

魔理沙が借りると言うと透は帰って来ない。そう思っていた。
……別に私は、透に帰って来い。何て言ってないし、もしかしたら魔理沙の家に泊まるかもしれないと考えたりもした。

それでも、透は帰って来た。少しボロボロになっていて心配もしたけど、それよりも嬉しかった。

嬉しい?どうして?まさか、透に惚れてるの私?あり得ない。
彼と出会ってまだ3日よ?……本当にあり得ない。

もし、仮に私が透に惚れてるとしてどこに惹かれたのだろう?
分からない。今の私にはまだ、分からない。分からないから……今は分からないのだから。



いつもの気まぐれにしよう。
うん。今だけ、この気持ちの正体が分かるまで……気まぐれな私でいよう。








でも、これが恋だと知った時……私はどうするんだろう?





魔理沙「おーい、遊びに来たぜ。」

アリス「何も昨日の今日で行かなくても良いんじゃない?」

魔理沙「そういう、アリスだって来てるじゃないか?」

アリス「わ、私はその……ゴニョゴニョ……」

魔理沙「しかし、誰もいないぜ?どこにいったんだ?」

アリス「そ、それで、来たのよ!!」

魔理沙「何を言ってるんだ? それより、行くぜ?」

アリス「え?え?どこに?」

魔理沙「だ~か~ら~、霊夢と透を探しに行くんだって。」

アリス「あ、あぁ。そうだったわね。 行きましょ。」

魔理沙「全く、しっかりしよろな?アリス。」

二人は博霊神社を後にし、霊夢達を探しに出た。









霊夢(むっ。なんか嫌な感じがした。)

透(ん?誰か探してるのか?)

勘が鋭い二人だった。