落とされて・・・幻想郷



透「はぁ…はぁ…」

俺は今、幻想郷の森の中を走っていた。しかも……人生最大のピンチ!パート2に遭遇していた。

?「待て待て~、私のご飯~~ 待っててば~♪」

(何で、俺がこんな目に会ってるんだろ!? 八雲 紫にいきなり、幻想郷に落とされ……介抱してくれた子が……)

?「ご飯~~♪」

透「これだよ! いきなり、後悔してきた!!」

ビュン!!

透「何か、飛んできた!? つーか、今!顔をかすったぞ!?」

?「弾幕を知らないの?」

ビュン!ヒュン! バン!

透「いでー!!」

あの子が放った弾幕と言うのが当たり、見事に転んでしまった。

?「わーい! 当たった!!」

弾幕を当てた子が嬉しいそうに飛んで来るのが見える。

(って、飛んでる!?)

そして、抱きついてきた。

?「ルーミアのご飯、捕まえた~~♪」

透「待て、待て、待て! 誰が誰を食うって!?」

女の子が俺を指差しながら…

?「ルーミアがあなたを食べるの。」

(可愛い笑顔だなぁ。……口から涎さえ垂れてなければ。)

ルーミア「それじゃあ、いただきま~~す♪」

透「うおぉぉ!? 俺の人生、食われて、バッドエンド!?」


?「妖怪バスター!」

ルーミア「キャアー!!」

よく、見えなかったがルーミアにお札みたいのが当たったように見えた。

ルーミア「いきなりは、酷いよ。霊夢~~」

ルーミアが頭を押さえながら、お札が飛んできた方を見た。
そこには…頭にでっかいリボンをした、赤と白の服を着た少女が仁王立ちで立っていた。

霊夢「別に、いきなりでもないでしょ。それより、人喰い妖怪! 人間は、襲わない約束をもう忘れたの?」

一瞬、ルーミアはビクッと反応を示し…

ルーミア「る、ルーミア…お、襲ってないもん。」

霊夢は、こめかみに指を当てながら

霊夢「じゃあ、今、あんたが乗っかていたのはどう説明するつもり?…嘘を言うと。夢想封印を喰らわすわよ。」

ルーミア「ひっ……」

透「………」

(確実にルーミアが怯えている。夢想封印は、そんなにヤバいのか?)

霊夢「さぁ!どうなのよ?」

透「待ってくれ。巫女さん。」

霊夢「なによ? 人間?」



透「あのな……ルーミアとは、一緒に遊んでいたんだ。」

霊夢「は!?」

ルーミア「え!?」

透「さっき、八雲 紫って、人にここに落とされてさ、ルーミアは気を失った俺を介抱してくれたんだ。……で、そのお礼に一緒に遊んでいたんだよ。 な?ルーミア?」

霊夢には、見えないようにルーミアにウィンクをした。

ルーミア「う、うん! そう! 私はこの人間と一緒に遊んでいただけだよ。」

霊夢「……ふぅ。 そっ、遊んでいたんだけなのね?」

俺とルーミアは、激しく首を縦にふった。

霊夢「人間の方。紫に落とされたんでしょ? ちょっと、私について来なさい。」

そう言うと、霊夢は歩いて行った。

透「はぁ~助かったな。」

ルーミア「……どうして、私を庇ったの? あなたを食べようとしたのに…」

透「まぁ、理由はどうあれ、介抱してくれたのは事実だしな。そのお礼さ。」

ルーミア「……ねぇ、あなたの名前は?」

透「天川 透だ。」

ルーミア「透、ね。 私はルーミアよ。」

遠くから霊夢の声がした。

霊夢「早く来なさいよ!」

透「おっと、じゃあ、俺、行くからな。」

俺は、霊夢が歩いた方に走っていった。



ルーミア「…うん。今度は、ちゃんと遊ぼうね…透。」

ルーミアが何か言ってたけど、良く聞こえなかった。

(まぁ、さようならでも言ったんだろう。)





――ルーミア介抱編――

透「ん?ここは?」

ルーミア「……あっ、気が付いた?」

透「君が助けてくれたのか?」

ルーミア「うん、そうだよ。偉いでしょ?」

透「あぁ、ありがとう。……何かお礼させてくれないか?」

ルーミア「お礼?…じゃあ、食べさせて。………じゅる。」

透「………ダッシュ!!」

ルーミア「あっ! 逃げたー!!待てー!!」

透「違う!…これは、鬼ごっこだ!!」

ルーミア「そ~なのか~~」