雑念退散!!

「おぉ。これまた、歩いて登るのが大変そうな階段だな。」

見上げると、太陽の光を浴びて輝いている神社へと続く階段があった。

「歩く? 何を言ってるの?」

「へ?霊夢こそ、一体何を…」

スィー

(飛んだ!?)

「何、してるの?貴方も早く飛びなさいよ。」

「飛べるかーー!!」

「へっ?…まさか、飛べなかったりするの?」

霊夢が少し、ありえない物を見た目で言ってきた。

「何だよ、その目は!? 普通の人間は、飛べないだろ!!」

そう、言った瞬間 霊夢が何かを考える仕草をした。気がする……

「そっ。…なら、頑張って登って来てね。」

霊夢がさらに高度を上昇させた時……

「いっ!?」

彼女のスカートの中の白い下着が見えてしまった。


「ん?何よ?…文句でも…」

私の言ったことに文句があるの?と 言いたげな目だったが……

すぐに、視線をそらせばバレなかっただろう。 だが、悲しいことに俺の目は霊夢のスカートから離れることは無かった。
霊夢も俺の視線に気付き、その先を追った…

「っ!?」

霊夢は、バッとスカートを押さえた。

「あ、あんた!……もしかして、見た?」

怒りのためか、はたまた羞恥のためか、霊夢の顔が赤くなっていた。

「い、いや、 その何て言うか……ほら、あれだ! 何だっけ!? 確か、不可抗力ってやつだ!」

(や、ヤバい! 何か、プルプルしてる!!)

「雑念退散! 夢想転生!!」

霊夢から色鮮やかな球体が作り出され……こっちに向かって飛んできた。

「ちょっ!? おまっ! それ、人間相手に使っちゃ、駄……ぐふっ! がはっ! ごほっ!」

一発目がHITし、空に浮いた俺に次々とHITとしていく。
最後の一発が俺にHITし…

「……うわーー!!!うぐっ!!」

ちょうど、階段の一番上の所に落下した。
倒れている俺の前に霊夢が降り立った。(あ、また見えた。)

「感謝しなさいよね。 あんたをわざわざ、境内まで運んであげたんだから。……生きて、いるわよね?」

「あぁ。 なんとかな。……つーか、今のは何だよ?ルーミアも似たようなのを打ったけど…」

「まぁ、その辺の説明を兼ねて中に入りましょ。」

霊夢はスタスタと歩いて行く……俺は、ふらりふらりとその後を付いていった。

「ほら、しゃきしゃきする! 居間に入ったら治療してあげるから。頑張りなさい。」

「治療って……原因は…」

「あ・な・た……でしょ?」

「はい。」

こうして、霊夢はボロボロになった(した)俺を何とか歩かせながら 、家の中に入ることができた。








――ある森の中で――

「透は、何をあげると喜ぶかなぁ?」

ルーミアは、透に助けてもらったお礼を何にするか考えながら森の中を飛んでいた。

「あれ? あそこにいるのは……チルノちゃん?」

木の影に青い服が見え、ルーミアは近づいた。
そこには、確かに氷の妖精ことチルノが………倒れていた。

「チ、チルノちゃん!? えっ?一体、どうしたの?どうしよう、全然起きないよ。………妖精って……美味しいかな?………じゅる」

「何を本当に食べようとしているんだ!?キーークッ!!」

「い、痛いよ。リグル~~。いきなりは酷いよ~~。」

「ふぅ……ルーミアが、怖い事を言うからだろ。」

ルーミアにキックをいれたのは、蛍で知られるリグルなのであった。

「ところで、チルノはどうしてこんなとこで倒れているんだろ?」

「分かんないよ。私も倒れているとこを見つけたから。」

「…そっか。じゃあ、チルノが起きるのを待とうか?」

「うん。そうだね。」

こうして、二人はチルノの目が覚めるのを待つことにした。







「チルノは、一体誰に殺られたのか!? 話は、次回!!」

「何を言ってるの?リグル?」

「いや、何か…場の雰囲気ってやつだよ。」

「そ~なのか~~。」