まりさ?

?「なに いってるの?」

少女は首を傾けた……まるで、俺が変な事を言ったみたいだ。

透「……あ~、お嬢さん。魔理沙は何処に行ったか知らないか?」

まりさ「まりさ? まりさは、わたしだよ。」

透「なにっ!?」

よ~く、まりさと名乗った少女を観察する。
魔理沙がしている黒いとんがり帽子……着ている服はだぼだぼと言っていいぐらいに大きい。

透「本当に魔理沙か?」

まりさ「そうだよ。 それより ごはんは?」

……机の上を見る。 かじった後のある紫と白のしましまのキノコ。 新しいキノコ発見→魔理沙食べる→毒がある→幼児化した?

透「ありえねぇーーーーー!!!??? なんだよ、小さくなるキノコって!? 赤と白のデカクなるキノコなら知ってるけど!!」

まりさ「ごはん~ ごはん~」

透「あぁ、悪い悪い? 今から作るから 少し待っていてくれ。」

まりさ「はやくしてね?」

透「分かりました。」






少年調理中………………

透「完成しました。」

調理って言うが、キッチンを見ると味噌汁とおかずがあったから、それらを温めただけ。

まりさ「うん。 とってもおいしいよ。 えらいよ、とおる。」



笑顔で美味しいと食べるまりさ。俺は温めただけなんだから、味噌汁とかを作ったのは他ならぬ自分自身。

透(何か 面白いな。……これからどうしよう?)

透の悩みすら知らず、まりさはまだ朝食を食べている。

ダレ?

透「とりあえず、これでどうだ?」

魔理沙「よしっ。だいぶ集まったな。 家に帰るか?」

透「…そうしよう。いい加減に疲れた。」

今、俺と魔理沙は森の中でキノコ採集をしていた。 そして、やっと終わりがきたのである。

透「たくっ。朝一で起こされてキノコ集めかよ。」

魔理沙「そうぼやくなって。私のうまい料理を食べさせてやっから。」

透「当たり前だろ。 これだけ手伝って何も無かったら、悪夢を見せてやるよ。」










>霧雨邸到着

透「しかし、中は凄いな。 荒れようが……」

魔理沙「まぁ、そう言うなって。……少し待っててくれ 今、新しいキノコを調べるから。」

透「飯が食えればなんだって良いよ。……水を貰っても良いか?喉が渇いたんだけど。」

魔理沙「もちろん。OKだぜ。」

魔理沙の許可を貰い、採集したキノコの見てる魔理沙を残し、キッチンに水を飲みに行く。

透「ぷは~ 生き返ったぁ。やっぱ水は奇跡の物質だな。」

水を飲み、魔理沙が居る部屋に戻ると……

?「あっ、とおる おなかすいた~~。」

小さい女の子が居た。

透「ダレ?」

思わずカタコトになってしまった。

勝手な約束

透「ここが大切な場所か?」

霊夢「そうよ。」

子供「お母さん。あれ 買ってよ~~。」

男「安いよ、安いよ~」

女「今日は、お野菜が安くなってますよ~!」

霊夢と一緒に来た場所は人間の里と呼ばれる場所だった。

透「たくさん、人間が…人間じゃない人もいるな。」

霊夢「この幻想郷に住む者の生活に必要な物がある場所だからね。……私達も行くわよ。」

透「え?」

霊夢「ちょうど、味噌と野菜が無くなったのよ。あとお米も。」

透「……分かった。荷物持ちだな?」

霊夢「その通り♪」

犬の獣人「あれ?博霊の巫女さん!? いらっしゃい、今日は魚が目玉っス!!」

霊夢「あら そうなの? ちょっと見せてもらおうかしら。」

犬の獣人「ん?……そっちの旦那は?彼氏っスか?」

霊夢「…っ、違うわよ。こっちは居候よ。……ごめんね。今日はやめとくわ。」

犬の獣人「はぁ、そうっスか。」

透(…? 今、辛そうな顔をしたか?)

その後、買い物先の店でも……

狐の獣人「あら~? 霊夢ちゃん。男の子と一緒なんて珍しい~じゃない? もしかして、好い人?」

猫の獣人「霊夢さ~ん、美味しいお野菜ありますにゃ~~♪」

霊夢「ちょっと見せてね。」

透「猫なのに野菜?」

猫の獣人「ふにゃ? 変ですか?」

透「いや、なんか猫に対するイメージが崩れた。」

猫の獣人「にゃ?……あなたは、霊夢さんの恋人ですかにゃ?」

透「恋人? そんな立派な者じゃないさ。俺は居候だよ。」

猫の獣人「でも、頑張って下さい。」

透「なにを?」

猫の獣人「だって、今日の霊夢さん、今まで見た中で一番楽しそうですにゃ♪ それって、貴方がいるからじゃ…ないですかにゃ?」

霊夢「ねぇ、この野菜 頂戴。」

猫の獣人「あっ はいはい。毎度ですにゃ。」

霊夢「さっ 次に行きましょ。透。」

透「…あぁ。猫の商人さん」

猫の獣人「何ですかにゃ?」

透「過大評価し過ぎだよ。」

猫の獣人「にゃ?……ふふ、猫の勘は当たるものですにゃ♪」

霊夢「何の事?」

透「いや 何でもないよ。」

猫の獣人「お気をつけて下さいにゃ。」

狼の妖怪「いらっしゃい。今日は何キロにします。」

霊夢「そうねぇ。30キロぐらい頂戴。」

狼の妖怪「へい 毎度!」

透(狼が米屋……)

霊夢「透 受け取って。」

透「あぁ。」

狼の妖怪「おっ 坊主が持つのかい? ほらよ。」

ズシッと米袋を渡されながら

狼の妖怪「坊主 いい女をゲットしたな。」

透「!?」

囁かれた。

透「何を言ってるん…」

狼の妖怪「照れるな!照れるな!」

透「痛でー!!」

背中を叩かれた。

霊夢「何をしてるの? 早く次の店に行くわよ。」

狼の妖怪「おぅ! また来いよ!」

女の幽霊「いらっしゃいませ。」

霊夢「これ 一杯にくれる?」

女の幽霊「毎度 ありがとうございます。」

透(幽霊の……味噌屋……)

霊夢「ありがとね。」

女の幽霊「いつもありがとうございます。」

霊夢「これで……全部揃ったわね。帰りましょうか?」

透「あぁ そうだな。」

博霊神社に帰って行った。

霊夢「ねぇ 透?……今日は楽し、かった?」

透「楽しかったぞ。太陽の畑は綺麗だったし、里にあんなにたくさんの人がいる事にも驚いたしな。」

霊夢「そう、良かったわ。」

透「驚いたと言えば……まさか、霊夢の恋人に間違われるとはな。」

霊夢「っ! そ、そうね。まったくいい迷惑よ。」

アリス「やっと…」

魔理沙「見つけたぜ!!」

霊夢魔理沙!?」

透「アリス?」











透「霊夢 いい加減に機嫌を直せよ。」

霊夢「私は機嫌良いわよ。」

透「そうかよ。」

さて、霊夢の不機嫌については、数時間前に戻る。

魔理沙&アリス「霊夢!」

霊夢「な、なに!?」

魔理沙「明日、」

アリス「透を」

魔理沙「借りてくぜ!」
アリス「借りるわよ!」

霊夢「……はい?」

魔理沙「じゃあな!」
アリス「じゃあね!」

二人は言う事を言ったのか霊夢の返事を聞かずに帰っていった。

透「な、なんだったんだろうな?……霊夢?」

霊夢「むぅ……」








なんて事があった。

透(な、なんなんだ!? この空気は!?)

霊夢「透。」

透「な、なんだ?」

霊夢「明日、帰ってくるよね?」

透「当たり前だろ。俺はここの居候なんだから。だから、そんな悲しい顔すんなよ。」

霊夢「なっ!? そんな顔をしてなんかないわよ!」

透「じゃあ、見ま違いかな。……明日は疲れそうだからもう寝るよ。」

霊夢「そう おやすみ。」


透は寝室に向かって行った。

霊夢魔理沙達何をするつもりかしら?」

里でもそうだったけど、なんで透の事でこんなに動揺するなんて……

霊夢「ホントにらしくないわね。」

幻想郷名所(パート3)

透「すげぇな。」

霊夢「どう?綺麗でしょ?」

ここは、幻想郷の何処かにある草原に俺と霊夢は来ていた。

?「あら?巫女と人間が来るなんて珍しいわね。」

不意に声をかけられた。

霊夢「えぇ。ピクニックに来たんだから、邪魔しないでよ。幽香?」

幽香「ゴミをちゃんと持ち帰り、花を傷付けないなら良いわよ。……そちらは?奴隷?」

幽香と言われる女性が俺を見ながら霊夢に質問してきた。

霊夢「ち、違うわよ! 彼は透。今は居候中の外から来た人間よ。…ほら、透も挨拶しなさい。」

(俺……居候の身分だったんだ。)

透「初めまして、天川 透だ。見ての通りの人間だ。」

幽香「人間?……私は風見 幽香よ。この太陽の畑の管理者みたいな者よ。」

幽香を良く見ると明るい感じの服を着ていて、妖精には見えない。

透「幽香は、魔法使いか何かなのか?」

あまりに人間である俺達に似ていたからそう聞いてしまった。

幽香「魔法使い?……フフ、違うわよ。私は妖怪よ。」

透「妖怪!?」

幽香「そうよ。あなたを食べてあげようかしら?」

霊夢幽香!!いい加減にしなさい!…透、下に降りて早く食べましょう。」




幽香(あらあら、悪戯が過ぎたかしら。でも、あの霊夢があんな反応するなんて……脈ありかしら。)

幽香は、花畑に降りて行く霊夢達を見送った。







下に降りると花の匂いに包まれながら、昼食をとった。 中身は霊夢が作ったおにぎりや卵焼き、唐揚げなど弁当だと言い切れる立派な弁当だった。

透「こういう所で食べるご飯も格別だな。」

霊夢「場所のおかげ?」

少し霊夢が不機嫌になっていた。

透「場所もそうだけど、朝も言ったとおり、霊夢の料理は旨いぞ。」

霊夢「そ、そう? ありがとう。」

何か今度は急に機嫌が良くなった。

透(場所のせいかな?)

透「場所と言えば、どうしてここは太陽の畑って言うんだ?」

霊夢「え?…あぁ、それは夏になると、ここら辺一帯が向日葵畑になるからよ。」

透(だから、太陽の畑か。…納得がいく理由だな。)

透(花を見ながら、食後のお茶を楽しむ。平和だな。)






霊夢「さっ、そろそろ行きましょうか。」

透「ん?今度は、何処に連れていってくれるんだ?」

霊夢「幻想郷で生きていくのに大切な場所よ。」

透「へぇー。そんな場所があるんだ。」



幽香「出発するのは少し待ちなさい。」

太陽の畑から出ようとすると、幽香がやってきた。

霊夢「何よ?」

幽香霊夢に用は無いわ。透に話があるの。」

透「なんだ?」

幽香に誘われ霊夢から離れる。

幽香「透に忠告しておくわ。 霊夢と一緒にいない方が良いわよ。」

透「どういう意味だ?」

幽香「透からは、妖気に近いものを感じるわ。あなた、自分の事、人間って言ってるけど……妖怪かもしれないわよ?」

透「……まさか。俺は生まれも育ちも外の世界だぞ?……気のせいなんじゃないか?」

幽香「私は、人を不機嫌にするのは好きだけど……嘘は言わない主義よ。まぁ、信じるか信じないかは…あなたの自由よ。」

霊夢「透ー。まだ~?」

透「……忠告はありがとう。でも、霊夢には恩があるしな。暫くは行動を一緒にすると思うぞ。」

幽香「それも、あなたの自由よ。…せいぜい頑張りなさい。……いろいろと。」

幽香の言葉を聞いて霊夢の所に戻った。

霊夢「用ってなんだったの?」

透「あぁ……俺のこと気に入ったから夏においでだってさ。」

霊夢「ふぅん。そうなんだ。」

透「それより、早く行こうぜ。その大切な場所に。」
霊夢「それもそうね。じゃあ行くわよ。」

透(……妖怪、か。)











魔理沙「紅魔館にはいなかったな。」

アリス「どうして、紅魔館に来たの?」

魔理沙「いや、勘だけど?」

アリス「はぁ~」

アリス(駄目ね、これ。)

魔理沙「よし、次は山に行こうぜ。」

アリス「山に?」

魔理沙「山でピクニックなんてやってるかもしれないだろ?」

アリス「………まぁ、いいわ。とりあえず行きましょう。」

魔理沙「おぅ。出発だぜ!」

霊夢の心境

透「1日ぶりに霊夢の飯を食うけど旨いな。」

霊夢「咲夜の方が美味しいと思うけど?」

今は居間で朝のカロリー摂取を取っていた。

透「確かに、咲夜の料理も美味しかったよ。でも、何ていうか……こっちの方が落ち着くんだよな。」

霊夢「そう、なの?(…ポ)」

透「あぁ。紅魔館の食べ方より、こうやって霊夢と喋りながら食べる方が俺は好きだな。……まぁ、俺の家では和食だからそれもあるのかな?」

霊夢「(ボン!)……へ、へぇ~、そうなんだ。」

(何でもじもじしてるだ?……まぁ、いいや食べよ。)

霊夢「そ、そうだ!透、今日何か用事ある?」

透「用事?…いや、なに」

霊夢「無いのね!? じゃあ、早く食べて準備をしましょう。」

返事も最後まで聞かずに霊夢は朝食を食べ、奥の方に行ってしまった。

(やれやれ。昨日といい今日といい、疲れそうだな。……でも、楽しくなりそうだな。)



俺が食べ終え、食器を洗っていると霊夢がバッグをぶら下げて入って来た。

霊夢「ちょっと、どいてくれない?」

透「少し待ってくれないか?まだ、洗い終わっていないんだ。」

霊夢「今から使うから、別に良いわよ。」

透「いや、しかし…」

霊夢「い・い・から! 早く出て行きなさい!!」

霊夢に背中を押されるが……最後まで抵抗してみる。

透「じ、じゃあ、その準備を手伝うのは?」

霊夢「ダメ!絶対にダメ!!……だったら、神社の境内を掃除してきて。」

それだけ言われると流石に気まずくなってその場を離れた。

(仕方ないな。境内の掃除をするか。)




境内の掃除をしている最中にふと空を見ると太陽が暖かい光が出していた。

(暖かいな。そして平和だ。こんな風にのんびりしていられたらどれだけ幸せかな?)

すると、霊夢がやってきた。

霊夢「掃除は終わった?…まぁ、終わって無くても良いけどね。……さぁ、行くわよ。」

透「行く?どこへ? そして、掃除は終わってないし、神社を留守にして良いのか?」

霊夢「全ての問いの答えは、大丈夫よ。場所はお楽しみよ。」

透「分かった。じゃあ行くか。」

霊夢「えぇ。ピクニックとでも思って楽しみましょ。」

(ピクニック、か。だったら、考えずに霊夢の後をついていって楽しもう。)

(何で、私……こんなに嬉しいんだろう?)







移動しながら、霊夢は考えていた。 どうして透を誘って外出してしまったのか。

本当は買い物に行くから、荷物運びをさせるつもりであった。ピクニックなんて言ったのは昨日、魔理沙が置いていった手紙が原因なのかもしれない。

『透は借りてくぜ。大丈夫、絶対に返すから!! じゃあな。
by魔理沙

魔理沙が借りると言うと透は帰って来ない。そう思っていた。
……別に私は、透に帰って来い。何て言ってないし、もしかしたら魔理沙の家に泊まるかもしれないと考えたりもした。

それでも、透は帰って来た。少しボロボロになっていて心配もしたけど、それよりも嬉しかった。

嬉しい?どうして?まさか、透に惚れてるの私?あり得ない。
彼と出会ってまだ3日よ?……本当にあり得ない。

もし、仮に私が透に惚れてるとしてどこに惹かれたのだろう?
分からない。今の私にはまだ、分からない。分からないから……今は分からないのだから。



いつもの気まぐれにしよう。
うん。今だけ、この気持ちの正体が分かるまで……気まぐれな私でいよう。








でも、これが恋だと知った時……私はどうするんだろう?





魔理沙「おーい、遊びに来たぜ。」

アリス「何も昨日の今日で行かなくても良いんじゃない?」

魔理沙「そういう、アリスだって来てるじゃないか?」

アリス「わ、私はその……ゴニョゴニョ……」

魔理沙「しかし、誰もいないぜ?どこにいったんだ?」

アリス「そ、それで、来たのよ!!」

魔理沙「何を言ってるんだ? それより、行くぜ?」

アリス「え?え?どこに?」

魔理沙「だ~か~ら~、霊夢と透を探しに行くんだって。」

アリス「あ、あぁ。そうだったわね。 行きましょ。」

魔理沙「全く、しっかりしよろな?アリス。」

二人は博霊神社を後にし、霊夢達を探しに出た。









霊夢(むっ。なんか嫌な感じがした。)

透(ん?誰か探してるのか?)

勘が鋭い二人だった。

これでも、紅魔館の主ですから。

フランが撃ち続け、透が避け続ける展開が続いてた。

フラン「う~ん……なんか物足りないなぁ。……そうだ!コレを使えば、」

フランが持ち出したのはスペルカード。

フラン「おいで。レーヴァテイン!」

カードが光り右手には、昼前に見た紅い剣が握られていた。

フラン「トオル……一緒に楽しもうね。」

透「また、あの剣か。………なにっ!?危ね!!」

フランは、高速で移動し透に切りかかったが、それを何とか回避した。

フラン「まだまだ、行くよ!」

フランの剣技は未熟であり、回避は容易い。しかし、技の出が速かった。

透「くっ。」

そして、透は慣れない空中戦により……

透(バランスが!?)

フラン(崩れた!?)

フラン「隙アリ!!」

その隙をついてレーヴァテインを横に振った。

透「なんの!!」

手を下に向けて弾幕を撃つと…透の体はその場で上昇しレーヴァテインを避けた。

フラン「うそ……避けたの?」

透(い、今のは危なかった。)



フラン「やるじゃない、トオル!」

透「そりゃ、どうも。」

透(今の調子で、)

フラン「これなら、どう?」

透「なっ? 弾幕!……うわっ!!」

また、レーヴァテインで来ると思っていたから予想外の弾幕により、当たってしまった。

それでも、何とか地面に落ちずに耐えられた。

透「いててて………ん?」

レーヴァテインが目の前にあり、フランは…

フラン「うふふ、私の勝ちー!!!」

笑っていた。

透(まさか、思いついた直後に負けるとはな……)

レミリア「そこまでよ。……フラン、楽しめたかしら?」

レミリアが間に入って来た。

フラン「お姉様。……うん、トオルとは初めて遊んだから楽しかったよ!!」

透「まぁ、楽しんでもらえたなら、それで良いか。」

レミリア「ふふ、トオルもフランの遊び相手をしてくれて礼を言うわ。……さっ、霧が消えるから中に入りましょう。」

透「はぁ~…しかし、疲れたな。」

レミリア「そう言うと思って、咲夜にお茶の準備をさせておいたわ。」

透「おっ、気が利くな。」

レミリア「これでも、紅魔館の主ですから。」


フラン「お茶、お茶~♪」

フランは、テラスに飛んで行くのを見て俺とレミリアもその後に続いた。

魔理沙「帰って来たな。」

アリス「お疲れ様。」

小悪魔「お怪我はしてないですか?」

咲夜(私のセリフ、盗られた。)

パチュリー「……。」

テラスから中に入ると、出迎えをされ、さっきの勝負の話し等をしながら時間が過ぎていった。






 太陽が沈み始めた頃。

魔理沙「さて、私らはそろそろ退散しますか。」

アリス「そうね。」
透「そうだな。」

レミリア「そう? それじゃ…」

魔理沙「あぁ、別に見送りとかはいいぜ。 そこから出てくから。」

魔理沙はテラスまで歩き、箒に跨がって外に出た。
俺とアリスもその後に続いて外に出る。

魔理沙「また、来るぜ。」

アリス「お邪魔したわね。」

透「旨い料理とお茶、ご馳走様。」

レミリア「どういたしまして。」

フラン「ばいば~い。」

咲夜「お気をつけて。」

パチュリー「じゃあね。」

小悪魔「また、来て下さい。」

帽子を被った女性「さよう~なら~~。」

紅魔館メンバーと挨拶をして俺達は紅魔館から出ていった。
その後、魔理沙達とも別れ、博霊神社に帰った。












透(そういや、あの帽子を被った人は誰だったんだ?)







――紅魔館――

フラン「あ~あ、帰っちゃった。」

美鈴「そうですね。」

咲夜「あら?いたの、美鈴?」

美鈴「いましたよ!さっきだって、一緒にお客様を見送ったじゃないですか!?」

紅魔館メンバー(……そうだったけ?)

紅い霧!?

廊下を進んで行くと……

咲夜「お待ちしておりました。」

扉の前に咲夜が立っていた。

レミリア「準備は?」

咲夜「はい。出来ております。」

咲夜が扉を開けてくれたので中に入る。

アリス「お疲れ様。」

パチュリー「…やっと、来たのね。」

小悪魔「あっ、大丈夫でしたか?」

先に座っていたアリス達に声をかけられた。

透「あぁ。まぁ、なんとか。」

咲夜から、今までの出来事は教えてもらってるらしい。

咲夜「透様、お荷物を……」

咲夜に言われるままに背負っていた荷物(魔理沙)を渡した。

咲夜「では、こちらに。」

魔理沙を渡すと、咲夜の後をついていくと、椅子を引いてくれたのでそこに座る。

透(レミリアとフランは……)

目で探してみると……すでに座っていた。

透(何か、似合っているな。)

咲夜「どうぞ。」
小悪魔「お待たせしました~」

咲夜と小悪魔が料理を運んで来た。
二人とも慣れているのか、テキパキとした動きをしている。

透(これはこれで、様になっているな。)

レミリア「それじゃ、いただきましょう。」

レミリアの言葉を合図にみんな食べ始めた。



アリス「やっぱり、美味しいわね。」

パチュリー「………」

小悪魔「咲夜さんの料理は美味しいです。」

魔理沙「あぁ。本当に旨いぜ。」

透&フラン(いつの間に復活したんだろう?)

レミリア「うん。いつも通りに美味しいわよ、咲夜。……トオル、味はどうかしら?」

透「旨いぞ。」

咲夜「ありがとうございます。」

全員が料理を味わいながら食べる中……

フラン「ぱくぱく! むしゃむしゃ! もぐもぐ!」

もの凄い速さで、料理を食べる一人の吸血鬼がいた。

全員(………………なぜ!?)

フラン「ごちそうさま!!」

ガタン!と席を立ち、

フラン「さっ、トオル遊びましょう!」

透「まだ、食ってんだけど!?」

透(料理のコメントが無かったのは、この為かっ?)

レミリア「ふぅ。待ちなさい、フラン。」

フラン「なに、お姉様? ご飯なら食べたよ。」

透(今がチャンスだな。……突っ込みたいが、)

透「もぐもぐ。ぱくぱく。」

透(食ってしまおう。)

レミリア「今、準備してたのよ。」

フラン「準備?」
透(準備?)

レミリア「ほら、出てきたわ。」



その瞬間、紅魔館は紅い霧に包まれた。

魔理沙「紅い霧!?…おい、レミリア!?」

レミリア「大丈夫よ。透とフランの弾幕ごっこが終わったら、すぐに消すわ。……フラン、これなら思いっきり外で遊べるわよ。」

フラン「外で遊んでいいのっ?」

レミリア「えぇ、霧から出なければいいわよ。」

レミリア(これ以上、紅魔館を壊されたくないもの。)

アリス&パチュリー&小悪魔&咲夜&魔理沙(壊されたく無いんだ…)

透「ごちそうさま!!……よし、」

フラン「遊ぼー!!」

フランは、元気よく窓から飛び出した。

透「俺も行くか。」

フランに続いて外に出ようと窓に向かう。

レミリア「トオル。」

レミリアに呼び止められた。

透「なんだ?」

全員「頑張りなさい。頑張って下さい。頑張るんだぜ。頑張るのよ。お気をつけて。……」

一言ずつ貰った。

透「あ、あぁ。頑張る、よ?」

良く言われた理由は分からなかったが、そう返し……外に出た。

外に出ると、フランが待っていた。

フラン「さぁ、弾幕ごっこだよ。……さっきみたいに楽しませてね。」

透「まぁ、頑張るよ。」


透(フランみたいに、武器になるスペルカードがあると楽なんだけどな。)

そう思いながら、フランとの弾幕ごっこが始まった。














レミリア「トオル!紅魔館を壊したらグンニグルを喰らわすからね! 覚悟しなさい!!」

透(姉妹で俺を追い込んでないか?)

フラン「もぅ、お姉様! いい感じだったのに邪魔しないでよ。……今度こそ、」

透「あぁ。スタートだ。」

とりあえず上昇だ。紅魔館に弾幕を当てる訳にもいかないからな。 そして……撃つ!

フラン「無駄、無駄。」

それを難なく避けるフラン。
実力も能力も身体でさえ劣る透には勝ち目もない相手。

フラン「ほら、行くよ~♪」

こっちよりも、濃い弾幕を撃つフラン。 正直、避けるだけで精一杯になってしまう。避けながら弾幕なんて撃てやしない。

透(くそ。やっぱりデタラメだろ!? 能力の俺はバレてるし……そうだ、アレを試してみるか。)

透「おらっ!」

フラン「よっ…と、一発だけで当たるはず無いじゃない。」

撃った弾幕は、確かに一発だけ。しかし、その弾幕はこの戦況を変える弾になる事を透以外、誰も感じていなかった。