紅い霧!?

廊下を進んで行くと……

咲夜「お待ちしておりました。」

扉の前に咲夜が立っていた。

レミリア「準備は?」

咲夜「はい。出来ております。」

咲夜が扉を開けてくれたので中に入る。

アリス「お疲れ様。」

パチュリー「…やっと、来たのね。」

小悪魔「あっ、大丈夫でしたか?」

先に座っていたアリス達に声をかけられた。

透「あぁ。まぁ、なんとか。」

咲夜から、今までの出来事は教えてもらってるらしい。

咲夜「透様、お荷物を……」

咲夜に言われるままに背負っていた荷物(魔理沙)を渡した。

咲夜「では、こちらに。」

魔理沙を渡すと、咲夜の後をついていくと、椅子を引いてくれたのでそこに座る。

透(レミリアとフランは……)

目で探してみると……すでに座っていた。

透(何か、似合っているな。)

咲夜「どうぞ。」
小悪魔「お待たせしました~」

咲夜と小悪魔が料理を運んで来た。
二人とも慣れているのか、テキパキとした動きをしている。

透(これはこれで、様になっているな。)

レミリア「それじゃ、いただきましょう。」

レミリアの言葉を合図にみんな食べ始めた。



アリス「やっぱり、美味しいわね。」

パチュリー「………」

小悪魔「咲夜さんの料理は美味しいです。」

魔理沙「あぁ。本当に旨いぜ。」

透&フラン(いつの間に復活したんだろう?)

レミリア「うん。いつも通りに美味しいわよ、咲夜。……トオル、味はどうかしら?」

透「旨いぞ。」

咲夜「ありがとうございます。」

全員が料理を味わいながら食べる中……

フラン「ぱくぱく! むしゃむしゃ! もぐもぐ!」

もの凄い速さで、料理を食べる一人の吸血鬼がいた。

全員(………………なぜ!?)

フラン「ごちそうさま!!」

ガタン!と席を立ち、

フラン「さっ、トオル遊びましょう!」

透「まだ、食ってんだけど!?」

透(料理のコメントが無かったのは、この為かっ?)

レミリア「ふぅ。待ちなさい、フラン。」

フラン「なに、お姉様? ご飯なら食べたよ。」

透(今がチャンスだな。……突っ込みたいが、)

透「もぐもぐ。ぱくぱく。」

透(食ってしまおう。)

レミリア「今、準備してたのよ。」

フラン「準備?」
透(準備?)

レミリア「ほら、出てきたわ。」



その瞬間、紅魔館は紅い霧に包まれた。

魔理沙「紅い霧!?…おい、レミリア!?」

レミリア「大丈夫よ。透とフランの弾幕ごっこが終わったら、すぐに消すわ。……フラン、これなら思いっきり外で遊べるわよ。」

フラン「外で遊んでいいのっ?」

レミリア「えぇ、霧から出なければいいわよ。」

レミリア(これ以上、紅魔館を壊されたくないもの。)

アリス&パチュリー&小悪魔&咲夜&魔理沙(壊されたく無いんだ…)

透「ごちそうさま!!……よし、」

フラン「遊ぼー!!」

フランは、元気よく窓から飛び出した。

透「俺も行くか。」

フランに続いて外に出ようと窓に向かう。

レミリア「トオル。」

レミリアに呼び止められた。

透「なんだ?」

全員「頑張りなさい。頑張って下さい。頑張るんだぜ。頑張るのよ。お気をつけて。……」

一言ずつ貰った。

透「あ、あぁ。頑張る、よ?」

良く言われた理由は分からなかったが、そう返し……外に出た。

外に出ると、フランが待っていた。

フラン「さぁ、弾幕ごっこだよ。……さっきみたいに楽しませてね。」

透「まぁ、頑張るよ。」


透(フランみたいに、武器になるスペルカードがあると楽なんだけどな。)

そう思いながら、フランとの弾幕ごっこが始まった。














レミリア「トオル!紅魔館を壊したらグンニグルを喰らわすからね! 覚悟しなさい!!」

透(姉妹で俺を追い込んでないか?)

フラン「もぅ、お姉様! いい感じだったのに邪魔しないでよ。……今度こそ、」

透「あぁ。スタートだ。」

とりあえず上昇だ。紅魔館に弾幕を当てる訳にもいかないからな。 そして……撃つ!

フラン「無駄、無駄。」

それを難なく避けるフラン。
実力も能力も身体でさえ劣る透には勝ち目もない相手。

フラン「ほら、行くよ~♪」

こっちよりも、濃い弾幕を撃つフラン。 正直、避けるだけで精一杯になってしまう。避けながら弾幕なんて撃てやしない。

透(くそ。やっぱりデタラメだろ!? 能力の俺はバレてるし……そうだ、アレを試してみるか。)

透「おらっ!」

フラン「よっ…と、一発だけで当たるはず無いじゃない。」

撃った弾幕は、確かに一発だけ。しかし、その弾幕はこの戦況を変える弾になる事を透以外、誰も感じていなかった。