スカートの中を見た
透「で? 俺達はどこに向かっているんだ?」
魔理沙「私の友人の家に向かっているぜ。近いからすぐに着くぜ。」
今、早朝から俺は魔理沙に縛られ、箒から吊るされて飛んでいる。
透「せめて、霊夢に行ってきます。ぐらいは、言いたかったかな。」
魔理沙「その体制は良いのかよ?……まぁ、置き手紙もあるし、霊夢は大丈夫だと思うぜ。」
そんなこんなで、森の中にある一軒家に到着した。
魔理沙「さぁ、着いたぜ。そして、入ろううぜ!」
透「しかし、こんな朝早くからお邪魔しても大丈夫なのか?」
魔理沙「大丈夫。大丈夫。……おーい、アリス~~ 飯を食べに来たぞー!!」
ドアを叩きながら、アリスと言う人を呼んだ。
そして、すぐにドアは開いた。
アリス「そんなに、怒鳴らくても聞こえてるわよ。魔理沙。」
中から現れたのは、まるで人形のような格好をした女の子が出てきた。
アリス「貴方が透ね。話なら、魔理沙から聞いてるから、入って。入って。」
透「あぁ。」
透(話しって、何の事だ?)
魔理沙(昨日、別れた後にアリスの家に寄ったんだよ。)
透(俺の予定は、完全無視だったな?)
魔理沙(あははは。まぁ、実際来てるから良いじゃないか!)
アリス「何を話してるの?」
魔理沙「いや、何でもないぜ。」
透「強いて言うなら、魔理沙の自分勝手さについてだ。」
魔理沙「透!?」
魔理沙には珍しいと思ったが、何か焦った態度をとった。
アリス「あぁ。その事については、今に始まった事じゃないから言っても無駄よ。」
魔理沙(…私って、そんなに自分勝手かな?)
会話をしながら、リビングに入り、席に着いた。
アリス「少し、待ってて。料理は出来てるから持ってくるわ。」
透「運ぶくらいなら、手伝うぞ?」
アリス「心配無用よ。手伝なら……たくさんいるから。」
そう言うと、人形が料理を運んできた。
透「おぉ!凄いな!?」
魔理沙「アリスは、人形使いなんだよ。ちなみに、この人形は全て、アリスの手作りなんだぜ。」
魔理沙は、凄いだろ? と言う感じで言った。
アリス「何で、魔理沙が凄いみたいな感じで言うのよ?」
透「アリスの意見に激しく同意だ。」
魔理沙「……さっ、飯が冷めちまう。早く食べようぜ。」
透&アリス(はぐらかしたな……)
食事は、ベーコンエッグにトースト。後、サラダもありどれもアリスの手作りらしいが、美味しかった。
アリス「どうぞ。食後のお茶よ。」
アリスは人形と一緒に紅茶とお菓子を持ってきてくれた。
透「何か、悪いな。朝早くからお邪魔して、飯にお茶まで貰って。」
アリス「気にしないで。透は、お客さんなんだから。」
どこか、アリスは嬉しそうに答えてくれた。
魔理沙「そうだぜ、透。私らは客なんだから、沢山、ご馳走になって良いんだぜ。」
アリス「魔理沙は、もう少しお茶を味わって飲みなさい。」
魔理沙「冷めたら、不味くなっちまうだろ? だから、早く飲むのさ。それに、飲んでるんだから、味わってるだろ?」
透&アリス「……(魔理沙、意味が違う!!)」
透「しかし、良く出来てる人形だよな。」
近くにいた人形を一つ持ち上げて色んな角度から見た。
透「細かい所もちゃんと縫ってあるし…」
アリス「透!! その子は…」
透「ん?……ぐぁっ!?」
持っていた人形がいきなり動き出して、ビンタを喰らった。
アリス「遅かった……」
魔理沙「よく見りゃ、上海じゃないか?」
透「上海?」
人形は飛んで、アリスの元に飛んで行った。
アリス「ごめんなさいね。透。この上海人形は少しだけど、自我があるの。だから…」
透「成る程。スカートの中を見られ、俺にビンタを入れた。って訳か。……上海人形、ゴメン!!」
俺は頭を下げて謝った。
アリス「と、透!?……あっ、上海!?」
上海人形が、俺の方に飛んできた。
上海「………」
頭を叩かれた。
透「?」
アリス「ふふ、許してあげるから、頭を上げてだって。」
透「そうか。ありがとう。」
魔理沙「しかし、人形に頭を下げる人間を初めて見たぜ。」
透「人形とはいえ、女の子のスカートの中を見たんだ。頭を下げて当たり前だろ?」
上海「……♪」
アリス「……へぇ。(上海、喜んでいるわね。 透か……魔理沙の話だから半分、怪しかったけど、本当に良い人みたいね。上海も懐いているし)」
透「うぉっ? 何だ!?」
上海が首に抱きついてきた。
アリス「潔い謝りをしたのがカッコイイ。ですって。」
透「そ、そうか?」
上海「……♪」
……コクン。
上海は大きく頷いた。
魔理沙「はは! 数十分で人形に気に入られるなんて、凄いな透。」
アリス「魔理沙?そろそろ時間じゃない?」
魔理沙「お~。もうそんな時間になっちまったか。……透、次に行くぞ。」
透「次?」
上海「……」
アリス「大丈夫よ、上海。私も用事があるから付いてきなさい。」
上海「♪」
魔理沙「次は!」
透「次は?」
魔理沙「次回だぜ!」
ズコーー!!!(透が転けて滑る音)
透「なんじゃ、そりゃぁ!?」