あなたを殺す世界よ

霊夢?「……」

何だか、霊夢の様子がおかしい気がする……

魔理沙「お前……本当に私が知ってる霊夢か?」

霊夢?「……ふぅ。魔力の供給を切られちゃったわね。」

魔理沙「魔力の供給?……一体、何の事を言ってるんだ?」

霊夢?「こっちの事よ。
それより、魔理沙。ここが何処だか知ってる?」

魔理沙「…知らないね。こんな、気味が悪い所。」

霊夢が近付いて来た。

霊夢?「そう。なら、教えてあげるわ。

※注意。ここから、少しグロテスクな文章があるので気をつけて下さい。

そっと、霊夢の手が私の肩に置いた。

魔理沙「え?」

驚くな。って、言う方が無理だろ。よく見れば、霊夢の手が浮いていて…私の肩が……落ちていた。

霊夢?「ここは、あなたを殺すための世界よ。」

霊夢は優しい声で、顔に血をつけながら言ってきた。

魔理沙「ああぁぁぁ!!!」

マズイマズイマズイマズイマズイとにかく!マズイ!!
こいつは、私が知ってる、博霊 霊夢じゃない。 霊夢の姿をした何かだ!!

私は、急いでその場から離れようとした。箒は……無い。
だったら、走って…

魔理沙「え?……っ!?」






私は、また、驚いた声を上げてしまいながら、倒れてしまった。
私は、倒れたまま、霊夢がいる方を見た。そこには……私の左足を持ちながら、舐めている霊夢がいた。

霊夢?「うん。やっぱり、魔理沙の血は美味しいわね。……肉も美味しいかしら?」

霊夢は冷たい目で、そして、とても嬉しそうな声で私を見た。

魔理沙「ひっ!…い、嫌!……待ってよ!こんなの……こんなの絶対におかしいぜ!?」

霊夢?「駄目よ。言ったでしょ?ここは、あなたを殺す世界なのよ。 この世界で、あなたの常識は無いわよ。」

魔理沙「そ、そんな……」

あっ、駄目だ。血が抜けて、眠くなって……

霊夢は、魔理沙を抱き上げようと手を伸ばした……が、その手は魔理沙を掴めなかった。

?「危ない危ない。……もう少しでこの子を死なすところだったわ。」

霊夢?「もう、来ちゃったの?……つまらないわね。」

?「悪いわね。透が、この子が起きて欲しいと思っているからね。私も動けたわ。」

霊夢?「そっ。まぁ、今回は試運転みたいなものだし。 私は消えるわ。……良いでしょ?」

?「えぇ。でも、腕と足は置いて行ってね。」




霊夢は、残念そうな顔をして、魔理沙の腕と足を置いて去っていった。


魔理沙「あ、あんたは誰?」

自分を抱き上げてる、女性に私は声をかけた。

?「そうねぇ。吸血鬼のお姉さんよ。」

そう言うと、女性は私を地面に降ろし、腕と足を拾って、私にくっつけた。さらに、頭に手を置いて……

?「覚めなさい。」

不思議と体のだるさや恐怖心が消えていった。

?「さて…と、魔理沙。簡単な説明をするわ。これは、透のスペルカードの力の世界よ。
この世界は…」

それから、私は、この世界についてや効果を教えてもらった。

あれ?……何だか、また…眠くなってきた。

?「これで、お別れね。
あなたがもう、この世界に来ない事を祈ってるわ。」

魔理沙「待って…あんたの名前……は?」

?「フフ。…香織よ。」

魔理沙「香…織……」

そうして、私の意識は途絶えてしまった。






――居間――

魔理沙「ん?……眩しい。」

太陽の光りの眩しさに、そのまんまの感想を言ってしまった。

透「魔理沙!? 起きたのか!」

魔理沙「よぉ。透。 なかなか、キツイ……スペルカードだったよ。」




俺は、魔理沙の言葉を聞きながら、霊夢ルーミアを急いで起こした。

霊夢魔理沙!!」
ルーミア魔理沙~!!」

二人は起きてる魔理沙を見ると泣きながら抱きついた。

何か、微笑ましいな。魔理沙も嬉しそうだし。

魔理沙「ははっ! お前ら苦しいってば!!」

霊夢「だって、魔理沙が起きないからでしょ!?」

ルーミア「何か、嫌な夢でも見てたの? 苦しそうにうなされていたんだよ?」

魔理沙「夢……あっ! そうだった!! 透に伝言を預かったんだった!!」

透「俺に?」


魔理沙、説明中………

透「なるほど。相手の意識をカードの世界に入れて、俺がイメージした事を見せるのか。」

魔理沙「簡単に言えば、そういう事だぜ。今回は、イメージが無かったから、私の恐怖心を倍増した世界になったんだ。って、言ってたぜ。」

透「イメージ……か。」

魔理沙「でも、あれは本当にヤバイぜ? 私も死ぬと思ったから。 香織さんは、透は優しいし使い方を間違えないから、大丈夫だ。って言ってたぜ。」

透「香織…か。話しの容姿を聞くと姉貴にそっくりだな。」


話し合いは、その日の昼過ぎまで続いた。

霊夢「縁側で飲むお茶は、美味しいわね。」

魔理沙「日本人なら、やっぱり緑茶だぜ。」

透「魔理沙は、日本人だったのか……」

ルーミア「お茶じゃなくて、食べ物が欲しいな~~」

午前にあんな事があったため、昼はみんな、のほほんと過ごしていた。

?「ルーミアー! やっと、見つけたわよ!!」

そこに、平和を壊す来訪者が現れた。

透「平和って、昔から唐突に壊されるもんだよな。」

災難な魔法使い

透「いや、頑…張った、ろ?
飛べるようになって、弾幕を10秒近く避けたんだぞ?」

霊夢「なに、言ってるの!」

魔理沙「こんなのは、まだまだ序の口だぜ?」

ルーミア「透! ファイトだよ?頑張れ!!」

霊夢(でも、魔理沙?)

魔理沙(分かってるぜ。流石にやりすぎた気がするぜ。)

霊夢(次は、イージーで…)

魔理沙(終わりにしてやりますか。)

アイ・コンタクト終了

霊夢「それじゃ、また、始めるわよ。」

透「あぁ。来い!!」

魔理沙「行くぜ!」

ルーミア「わふ~♪」

透「っ!?(……さっきより…弾幕が薄い? これなら……)」

霊夢「凄い。」

ルーミア「避けてる~♪」

魔理沙「……まぁ、イージーだしな。」

足や腕に当たる、時もあるが、最初より弾幕が薄いからか、意外と避け続ける事が出来た。

そして、17分ぐらいが過ぎた頃に……

魔理沙「もう、良いんじゃないか?」

ルーミア「飽きた~~。」

霊夢「そうね。これなら、大丈夫でしょ。」

透「はぁ…はぁ…ぜぇ…ぜぇ……こんなに、痛くて疲れたのは初めてだ。」

魔理沙「はは! まだまだだぜ……透。 次に行こうぜ!!」
透「次!? 体をこれ以上動かすのは、流石にキツイぞ?」

霊夢「大丈夫よ。次は……コレをやるから。」

霊夢は懐から一枚のカードを取り出した。

透「カード?」

ルーミア「スペルカードなのか~~♪」

透「スペルカード?」

魔理沙「そうだぜ。弾幕だけじゃ、終わらない時があるから。 スペルカードを使って倒すんだぜ!」

霊夢「私が透に使った、夢想転生もスペルカードの一つよ。」

透「成る程。そういや、あの時もカードみたいのを持っていたな。」

霊夢「そういう訳で、はい。」

霊夢に真っ白のカードを渡された。

透「(何か、見覚えがあるな。……まっいいか。)で?これをどうすりゃ良いんだ?」

霊夢「まぁ…」

魔理沙「ちょーっと待った!!スペルカードの作り方なら、私に任せてほしいぜ!!」

霊夢魔理沙?……まぁ、良いわよ。 面倒だし。」

透「おいおい。」

それで、良いのか? 楽園の巫女が……

魔理沙「透。一枚目のスペルカードを作るのは意外と簡単なんだぜ?……まず、空白のスペルカードに技のイメージをしてみな。」

透「あぁ。」

いきなり、イメージって、言われてもなぁ……

霊夢魔理沙、それじゃ、具体性に欠けるでしょ?……透、何か大切な物や思い出ってある?そんな思いが一番、カードが作りやすいわよ。」

透「大切な物や思い出……か」
そういや、昔は優しかった姉貴が…今じゃ、暴力女になったし…… 健兄も昔は頼れる男だったのに…今じゃ、チャラチャラした男になって……

透「感動的な思い出が無い!?……いやいや、あり得な…」

ルーミア「あっ。光った。」

透「?」

カードを見ると確かに、空白のスペルカードに絵と名前が刻まれていた。

ユメ『狂う者』

霊夢「へぇー。変わった感じのスペルカードね。」

ルーミア「そうだね。絵が真っ黒……真ん中に白い円みたいのがあるね。」

魔理沙「なんだって良いさ。
透!そのスペルカードを私に使ってみてくれ。」

透「い、いや、それは危険なんじゃないのか?」

霊夢「そうよ。まだ、効果すら分からないのよ?」

魔理沙「だから、こそ。使ってみたいと思わない?」

霊夢「はいはい。ようは、自分が気になるのね。 透……やって良いわよ。」

透「そうか? じゃあ、行くぞ?すぅ…はぁ~~スペルカード!ユメ『狂う者』!」

透「あれ? 失敗か?」

霊夢「いえ。カードは光ったから、発動はしてるわね。」

ルーミア「……魔理沙?」

ルーミアが動かない魔理沙の肩を揺すろうとしたら……その場で魔理沙が倒れた。

透&霊夢魔理沙!?」

急いで近づくと、気を失っているようだ。

透「お、おい!魔理沙!!」

霊夢「とにかく!居間に運ぶわよ! 透は、魔力の供給をカットして!!」

透「分かった。俺が運ぶから、霊夢ルーミアは看病の準備をしてくれ!!」

霊夢「分かったわ!!」
ルーミア「分かった!」

俺は、魔理沙を背負い、霊夢ルーミアの後を追って家の中に入った。





――霊夢の家の居間――

ルーミア魔理沙~~」

霊夢「透……その、スペルカードは何なの?」

透「俺にも分からない。
……クソッ! 何で自分のカードなのに……」

魔理沙が倒れてから、30分は経っていた。

霊夢「……カードの効果を受けて、気絶したって考えるのが妥当でしょうね。」

ルーミア魔理沙は、何かを見て寝たのかな?」

透「さぁ…な。」

霊夢「それは、魔理沙にしか分からないわね。」

透「魔理沙……」









――夢の中――

魔理沙「ん? ここは……どこだ?」

霊夢?「魔理沙。」

気が付くと霊夢が後ろに立っていた。

魔理沙「よぉ。霊夢もいたのか。」

女の怒りは買わないように

――翌朝――


昨日の疲れ(痛み)もあり、
爆睡していた俺は霊夢に起こされ、今は居間で………

透「この焼き魚、美味いな。」
食事中だったりする。

霊夢「まぁ、一人暮らしが長いからね。 これくらい、出来て 当たり前よ。」

透「いやぁ、霊夢は良いお嫁さんになれると思うよ。」

霊夢「そ、そう?…あっ、ご飯おかわりする?」

一瞬、霊夢が照れた様にも見えたが……まさかな。

透「あぁ。もらうもらう。」

そんなこんなな、朝の食事タイムだった。

それから、少し食休みをした
後、境内に移動した。

霊夢「それじゃ、弾幕勝負にとって、 一番重要な事……弾幕を出すことからやってもらうわ。」

透「具体的には、どうしたら良いんだ?」

魔理沙「簡単に言っちまえば、頭の中に弾幕をイメージして、それを打ち出す様にすれば…… 撃てる!!」

透「痛い!痛い!」

いつの間にか出てきた、女の子が言いながら、弾幕を撃ってきた。

霊夢魔理沙!?どうして、ここにいるのっ?」

魔理沙「いや~~、朝飯を食べようと思って、来たんだけど。 霊夢が男と一緒に朝食を仲良さそうに食べていてさ……出るタイミングを伺っていたんだぜ!!」

それから、数十分後……

霊夢「はぁ、はぁ、もう、いいわ。 それより、透の方の練習をしなくちゃ…」

魔理沙「あぁ。すっかり忘れてたぜ。」

透「ん? 二人とも、もう話し合いは終わったのか?」

ルーミア「終わったのか~~」

霊夢「人喰い妖怪!?」

魔理沙「おぉ!凄いな、透。
もう、空を飛べる様になったのか?」

透「あぁ。弾幕はすぐに撃てるようになってな。
そこに、ルーミアが来て…」

ルーミア「空も飛べた方が楽だから、ルーミアが空を飛ぶ方法をなんとなくで、教えたの。」

透「だけど、足が地面に着いていないから何か変な感じって言うか、気味が悪いな。」

ルーミア「さっきも言ったでしょ? それは、慣れよ。」

霊夢魔理沙「…………(私が透に出来ること…)」

透「あぁ。 分かってるよ。……でも、なんかなぁ…」

霊夢(……魔理沙、あれしかないわね。)

魔理沙(……あぁ。分かってるぜ。霊夢。あれだな。私達を)

霊夢(無視した罪……)

霊夢(分からせてあげるわ。) 魔理沙(教えてやるぜ。)

二人のアイ・コンタクト終了。

霊夢「透、弾幕も出せるし…」

魔理沙「空も飛べるみたいだしな…」
透「な、なんだ?二人ともどうした? 何か、怖いぞ?」

霊夢「そんなこと、無いわよ? ねぇ、魔理沙?」

魔理沙「そうだぜ。……透、次のステップは…」

透「ステップは?」

霊夢「私達、二人の弾幕を避ける練習よ。」

透「はっ!? 二人同時!?
そんなの無理だろ!!」

魔理沙「やってみないと分からない事もあるんだぜ?」

霊夢「私達は透の事を思って、言ってるのよ?」

透「(うっ!?何て言う、プレッシャーだ!?)分かった。
こうなったら、やってやる!」

霊夢「それじゃ…」

魔理沙「行く…」

ルーミア「待って!! 皆、酷いよ!! 私も混ぜてよ!」

透「ルーミア?」

霊夢「いいわよ。ルーミアもこっちにいらっしゃい。」

ルーミア「わーい♪」

透「3対1かよ……」

魔理沙「大丈夫。大丈夫。
ちゃんと、手加減するから。」

霊夢「それじゃ…」

魔理沙「改めて…」

ルーミア「行くよ~」

透「よし!来い!」

霊夢「えい!(ハード)」

魔理沙「うりゃ!(ハード)」

ルーミア「わは(イージー)」

三人の色……それぞれの弾幕が飛んできた。

透「うおぉぉぉー!!」

約15秒で、撃沈されました。

霊夢「スッキリしないー!」

魔理沙「まったくだぜ!」

ルーミア「透~? 早過ぎるよ~~。」

透「おま、えら…マジで、手を抜いた、ん、だろう、な?」

霊夢「当たり前じゃない。」
……ニヤニヤ。

魔理沙「そうだぜ。素人相手に本気は出したりしないぜ?」
……ニヤニヤ。

ルーミア「そうだよ~~。ちゃんと、手加減してるよ。」
……真剣。

透「……そう、だよな。
じゃあ、もう一回頼むわ。」

霊夢「もちろんよ。一回で終わりにする訳ないじゃない。」

ルーミア「それじゃ~~」

魔理沙「行くぜ!!」

三人の弾幕が透を狙い飛んで来る。濃度は……

霊夢「当然! さっきと…」

魔理沙「同じだぜ!」

ルーミア「わは~♪」

透「……(ルーミアの弾幕は……そんなに、凄くない。
問題なのは……あの二人!!
この際、ルーミアの被弾は無視だ! あの二人の弾幕だけに集中するんだ!!)」

この、考察時間(0.9秒)


二度目のチャレンジ
撃沈タイム……17秒82。

霊夢「……さっきと、変わらないわねぇ。」

魔理沙「まだまだ、動きが遅いぜ?」

ルーミア「とぉ~るぅ~~?」

おでこのたんこぶは誰のせい??

霊夢「うわ~~ 痛そうな たんこぶが出来てるわね。」

「そのたんこぶを作った人が何を言うか。」

霊夢「私だけじゃないわよ。」

「どういう意味だ?」

霊夢「気付いてないの? たんこぶが2つ……前と後ろにできているわよ。 まぁ、後ろのたんこぶはさっき、落下した時のやつだけど……」

なるほど。確かに触ってみると頭に2つのたんこぶがあるな。

霊夢「ね……ぇ、…ねぇってば!?」

「ん? あぁ。何だ?」

霊夢「何だ? じゃないわよ! だから、他に誰かにやられたんじゃないの?って、聞いてるのよ。え~と……誰?」

「そういや、まだ自己紹介すらしてなかったな。 俺は天川 透 八雲 紫に……頼んで幻想郷に来させてもらった。人間さ。」

その他に、ここに来る事になった理由などもついでに話しておいた。

霊夢「そう。 あの紫がね……(自分から面倒事を作る真似をするなんて。) よっぽど、暇なのね。」

「暇? 何のこっちゃ?」

霊夢「あぁ、良いの良いの。 気にしないで…こっちの事だから。……それよりも、透、弾幕勝負をしてみない?」



「弾幕、勝負? それは、一体どんな勝負なんだ?」

霊夢「簡単に言えば、幻想郷の問題を解決するための方法ね。 負けた方は勝った方の言うことを聞く。……ね?シンプルで分かりやすいでしょ?」

「あぁ。シンプル・イズ・ベストってやつだな。」

霊夢「まぁ、詳しくは明日ね。 今日はもう遅いし。」

ふと外を見ると…空は暗くなり始めていた。

「そうだな。」

霊夢「それじゃ、少し早いけどご飯にでもしましょうか。
外の世界の話しとか聞いてみたいわ。」

「代わりに、こっちの世界の話しとかしてもらうからな。」


それから、30分程して霊夢が食事を運んで来た。
俺も手伝いをした。(皿出しぐらいだけどな。)


霊夢「へぇー、車とか電車っていうのがあるんだ。 何か凄いのね。」

「いやいや、飛べる方が凄いからな! 地球にも優しいし。」



こんな、お互いの世界の話をしながら時間は過ぎていった。


(さてと、風呂にもいれてもらったし。後は寝るだけかな。)
霊夢「じゃあ、透の部屋はここね。」

「あぁ。ありがとう。」

霊夢「それじゃ、お休み。
明日は、ビシビシ行くから覚悟しときなさい。」



「何か悪いな。こんな、見ず知らずの奴にここまでしてもらって。」

霊夢「えっ? 気にしないで。
ある意味、透は被害者だし。
……まっ、いつかこの貸しを返してちょうだい。 お賽銭でも良いわよ。」

「はは、何かあったら手伝わせてもらうよ。」

そう言うと、霊夢は微笑みをしながら去っていった。

さて、寝るかな。











あああーーー!!!!
体中が痛い!! そういや、夢想転生とかいう技を喰らったんだった。
今まで、霊夢と喋っていたから忘れていたけど、痛いよこれ!
…………寝れるかな俺?























リグル「夜になっちゃたな。」

ルーミア「お腹、空いたよ~~ (………蛍って美味しいかな?……じゅる)」

リグル「……(何か、ルーミアの目が怖いなぁ。)」

そんな時、チルノが動いた。

チルノ「う、う~ん……あれ? ここは?」

ルーミア「チルノちゃんが、起きた!!」
リグル「チルノが目覚めた!」

チルノ「ん? あっ! ルーミアにリグル!? どうしてここに?って、もう夜になってるじゃない!?」

ルーミア「チルノちゃんが倒れていたから、介抱していてあげたんだよ?」

リグル「まぁ、僕は付き添いみたいなものかな?」

チルノ「あたいが倒れていた? ……どうして?」

リグル「さぁ? ルーミアが見つけた時には、もう倒れていたらしいよ。」

ルーミア「チルノちゃん。何か思い出せないの? ……おでこにそんな大きなたんこぶがあるのに?」

チルノ「うわっ!? ホントだ!~~っ! 誰よこの最強のあたいを倒したのは!?」

リグル「だから、その倒された時の事を思い出せないのか?」

チルノ「う~ん、確か今日は、空を飛んでいて…それで………アーーッ!? ……思い出した!!空から、人間が降って来たのよ!!」

リグル「はぁ~~~?」

ルーミア「そ~なのか~~(……あれ? 確か、透は外の世界から来て、頭を打って倒れていたような)」

チルノ「よ~し! 明日から人間探しよ!! あんた達も手伝ってね!!」

そう言うと、チルノは飛んでいった。

リグル「勝手だなぁ。……ルーミアはどうする?」

ルーミア「私は良いよ。(透に会えるかもしれないし……)」

リグル「ルーミアが行くなら、僕はいなくても大丈夫かな。」

ルーミア「リグルは、来ないの?」

リグル「うん。用事もあるしね……チルノこと頼んだよ。」

ルーミア「分かった♪」

ここまで話すと、二人も自分の住みかに帰って行った。

雑念退散!!

「おぉ。これまた、歩いて登るのが大変そうな階段だな。」

見上げると、太陽の光を浴びて輝いている神社へと続く階段があった。

「歩く? 何を言ってるの?」

「へ?霊夢こそ、一体何を…」

スィー

(飛んだ!?)

「何、してるの?貴方も早く飛びなさいよ。」

「飛べるかーー!!」

「へっ?…まさか、飛べなかったりするの?」

霊夢が少し、ありえない物を見た目で言ってきた。

「何だよ、その目は!? 普通の人間は、飛べないだろ!!」

そう、言った瞬間 霊夢が何かを考える仕草をした。気がする……

「そっ。…なら、頑張って登って来てね。」

霊夢がさらに高度を上昇させた時……

「いっ!?」

彼女のスカートの中の白い下着が見えてしまった。


「ん?何よ?…文句でも…」

私の言ったことに文句があるの?と 言いたげな目だったが……

すぐに、視線をそらせばバレなかっただろう。 だが、悲しいことに俺の目は霊夢のスカートから離れることは無かった。
霊夢も俺の視線に気付き、その先を追った…

「っ!?」

霊夢は、バッとスカートを押さえた。

「あ、あんた!……もしかして、見た?」

怒りのためか、はたまた羞恥のためか、霊夢の顔が赤くなっていた。

「い、いや、 その何て言うか……ほら、あれだ! 何だっけ!? 確か、不可抗力ってやつだ!」

(や、ヤバい! 何か、プルプルしてる!!)

「雑念退散! 夢想転生!!」

霊夢から色鮮やかな球体が作り出され……こっちに向かって飛んできた。

「ちょっ!? おまっ! それ、人間相手に使っちゃ、駄……ぐふっ! がはっ! ごほっ!」

一発目がHITし、空に浮いた俺に次々とHITとしていく。
最後の一発が俺にHITし…

「……うわーー!!!うぐっ!!」

ちょうど、階段の一番上の所に落下した。
倒れている俺の前に霊夢が降り立った。(あ、また見えた。)

「感謝しなさいよね。 あんたをわざわざ、境内まで運んであげたんだから。……生きて、いるわよね?」

「あぁ。 なんとかな。……つーか、今のは何だよ?ルーミアも似たようなのを打ったけど…」

「まぁ、その辺の説明を兼ねて中に入りましょ。」

霊夢はスタスタと歩いて行く……俺は、ふらりふらりとその後を付いていった。

「ほら、しゃきしゃきする! 居間に入ったら治療してあげるから。頑張りなさい。」

「治療って……原因は…」

「あ・な・た……でしょ?」

「はい。」

こうして、霊夢はボロボロになった(した)俺を何とか歩かせながら 、家の中に入ることができた。








――ある森の中で――

「透は、何をあげると喜ぶかなぁ?」

ルーミアは、透に助けてもらったお礼を何にするか考えながら森の中を飛んでいた。

「あれ? あそこにいるのは……チルノちゃん?」

木の影に青い服が見え、ルーミアは近づいた。
そこには、確かに氷の妖精ことチルノが………倒れていた。

「チ、チルノちゃん!? えっ?一体、どうしたの?どうしよう、全然起きないよ。………妖精って……美味しいかな?………じゅる」

「何を本当に食べようとしているんだ!?キーークッ!!」

「い、痛いよ。リグル~~。いきなりは酷いよ~~。」

「ふぅ……ルーミアが、怖い事を言うからだろ。」

ルーミアにキックをいれたのは、蛍で知られるリグルなのであった。

「ところで、チルノはどうしてこんなとこで倒れているんだろ?」

「分かんないよ。私も倒れているとこを見つけたから。」

「…そっか。じゃあ、チルノが起きるのを待とうか?」

「うん。そうだね。」

こうして、二人はチルノの目が覚めるのを待つことにした。







「チルノは、一体誰に殺られたのか!? 話は、次回!!」

「何を言ってるの?リグル?」

「いや、何か…場の雰囲気ってやつだよ。」

「そ~なのか~~。」

落とされて・・・幻想郷



透「はぁ…はぁ…」

俺は今、幻想郷の森の中を走っていた。しかも……人生最大のピンチ!パート2に遭遇していた。

?「待て待て~、私のご飯~~ 待っててば~♪」

(何で、俺がこんな目に会ってるんだろ!? 八雲 紫にいきなり、幻想郷に落とされ……介抱してくれた子が……)

?「ご飯~~♪」

透「これだよ! いきなり、後悔してきた!!」

ビュン!!

透「何か、飛んできた!? つーか、今!顔をかすったぞ!?」

?「弾幕を知らないの?」

ビュン!ヒュン! バン!

透「いでー!!」

あの子が放った弾幕と言うのが当たり、見事に転んでしまった。

?「わーい! 当たった!!」

弾幕を当てた子が嬉しいそうに飛んで来るのが見える。

(って、飛んでる!?)

そして、抱きついてきた。

?「ルーミアのご飯、捕まえた~~♪」

透「待て、待て、待て! 誰が誰を食うって!?」

女の子が俺を指差しながら…

?「ルーミアがあなたを食べるの。」

(可愛い笑顔だなぁ。……口から涎さえ垂れてなければ。)

ルーミア「それじゃあ、いただきま~~す♪」

透「うおぉぉ!? 俺の人生、食われて、バッドエンド!?」


?「妖怪バスター!」

ルーミア「キャアー!!」

よく、見えなかったがルーミアにお札みたいのが当たったように見えた。

ルーミア「いきなりは、酷いよ。霊夢~~」

ルーミアが頭を押さえながら、お札が飛んできた方を見た。
そこには…頭にでっかいリボンをした、赤と白の服を着た少女が仁王立ちで立っていた。

霊夢「別に、いきなりでもないでしょ。それより、人喰い妖怪! 人間は、襲わない約束をもう忘れたの?」

一瞬、ルーミアはビクッと反応を示し…

ルーミア「る、ルーミア…お、襲ってないもん。」

霊夢は、こめかみに指を当てながら

霊夢「じゃあ、今、あんたが乗っかていたのはどう説明するつもり?…嘘を言うと。夢想封印を喰らわすわよ。」

ルーミア「ひっ……」

透「………」

(確実にルーミアが怯えている。夢想封印は、そんなにヤバいのか?)

霊夢「さぁ!どうなのよ?」

透「待ってくれ。巫女さん。」

霊夢「なによ? 人間?」



透「あのな……ルーミアとは、一緒に遊んでいたんだ。」

霊夢「は!?」

ルーミア「え!?」

透「さっき、八雲 紫って、人にここに落とされてさ、ルーミアは気を失った俺を介抱してくれたんだ。……で、そのお礼に一緒に遊んでいたんだよ。 な?ルーミア?」

霊夢には、見えないようにルーミアにウィンクをした。

ルーミア「う、うん! そう! 私はこの人間と一緒に遊んでいただけだよ。」

霊夢「……ふぅ。 そっ、遊んでいたんだけなのね?」

俺とルーミアは、激しく首を縦にふった。

霊夢「人間の方。紫に落とされたんでしょ? ちょっと、私について来なさい。」

そう言うと、霊夢は歩いて行った。

透「はぁ~助かったな。」

ルーミア「……どうして、私を庇ったの? あなたを食べようとしたのに…」

透「まぁ、理由はどうあれ、介抱してくれたのは事実だしな。そのお礼さ。」

ルーミア「……ねぇ、あなたの名前は?」

透「天川 透だ。」

ルーミア「透、ね。 私はルーミアよ。」

遠くから霊夢の声がした。

霊夢「早く来なさいよ!」

透「おっと、じゃあ、俺、行くからな。」

俺は、霊夢が歩いた方に走っていった。



ルーミア「…うん。今度は、ちゃんと遊ぼうね…透。」

ルーミアが何か言ってたけど、良く聞こえなかった。

(まぁ、さようならでも言ったんだろう。)





――ルーミア介抱編――

透「ん?ここは?」

ルーミア「……あっ、気が付いた?」

透「君が助けてくれたのか?」

ルーミア「うん、そうだよ。偉いでしょ?」

透「あぁ、ありがとう。……何かお礼させてくれないか?」

ルーミア「お礼?…じゃあ、食べさせて。………じゅる。」

透「………ダッシュ!!」

ルーミア「あっ! 逃げたー!!待てー!!」

透「違う!…これは、鬼ごっこだ!!」

ルーミア「そ~なのか~~」