災難な魔法使い
透「いや、頑…張った、ろ?
飛べるようになって、弾幕を10秒近く避けたんだぞ?」
霊夢「なに、言ってるの!」
魔理沙「こんなのは、まだまだ序の口だぜ?」
ルーミア「透! ファイトだよ?頑張れ!!」
霊夢(でも、魔理沙?)
魔理沙(分かってるぜ。流石にやりすぎた気がするぜ。)
霊夢(次は、イージーで…)
魔理沙(終わりにしてやりますか。)
アイ・コンタクト終了
霊夢「それじゃ、また、始めるわよ。」
透「あぁ。来い!!」
魔理沙「行くぜ!」
ルーミア「わふ~♪」
透「っ!?(……さっきより…弾幕が薄い? これなら……)」
霊夢「凄い。」
ルーミア「避けてる~♪」
魔理沙「……まぁ、イージーだしな。」
足や腕に当たる、時もあるが、最初より弾幕が薄いからか、意外と避け続ける事が出来た。
そして、17分ぐらいが過ぎた頃に……
魔理沙「もう、良いんじゃないか?」
ルーミア「飽きた~~。」
霊夢「そうね。これなら、大丈夫でしょ。」
透「はぁ…はぁ…ぜぇ…ぜぇ……こんなに、痛くて疲れたのは初めてだ。」
魔理沙「はは! まだまだだぜ……透。 次に行こうぜ!!」
透「次!? 体をこれ以上動かすのは、流石にキツイぞ?」
霊夢「大丈夫よ。次は……コレをやるから。」
霊夢は懐から一枚のカードを取り出した。
透「カード?」
ルーミア「スペルカードなのか~~♪」
透「スペルカード?」
魔理沙「そうだぜ。弾幕だけじゃ、終わらない時があるから。 スペルカードを使って倒すんだぜ!」
霊夢「私が透に使った、夢想転生もスペルカードの一つよ。」
透「成る程。そういや、あの時もカードみたいのを持っていたな。」
霊夢「そういう訳で、はい。」
霊夢に真っ白のカードを渡された。
透「(何か、見覚えがあるな。……まっいいか。)で?これをどうすりゃ良いんだ?」
霊夢「まぁ…」
魔理沙「ちょーっと待った!!スペルカードの作り方なら、私に任せてほしいぜ!!」
霊夢「魔理沙?……まぁ、良いわよ。 面倒だし。」
透「おいおい。」
それで、良いのか? 楽園の巫女が……
魔理沙「透。一枚目のスペルカードを作るのは意外と簡単なんだぜ?……まず、空白のスペルカードに技のイメージをしてみな。」
透「あぁ。」
いきなり、イメージって、言われてもなぁ……
霊夢「魔理沙、それじゃ、具体性に欠けるでしょ?……透、何か大切な物や思い出ってある?そんな思いが一番、カードが作りやすいわよ。」
透「大切な物や思い出……か」
そういや、昔は優しかった姉貴が…今じゃ、暴力女になったし…… 健兄も昔は頼れる男だったのに…今じゃ、チャラチャラした男になって……
透「感動的な思い出が無い!?……いやいや、あり得な…」
ルーミア「あっ。光った。」
透「?」
カードを見ると確かに、空白のスペルカードに絵と名前が刻まれていた。
ユメ『狂う者』
霊夢「へぇー。変わった感じのスペルカードね。」
ルーミア「そうだね。絵が真っ黒……真ん中に白い円みたいのがあるね。」
魔理沙「なんだって良いさ。
透!そのスペルカードを私に使ってみてくれ。」
透「い、いや、それは危険なんじゃないのか?」
霊夢「そうよ。まだ、効果すら分からないのよ?」
魔理沙「だから、こそ。使ってみたいと思わない?」
霊夢「はいはい。ようは、自分が気になるのね。 透……やって良いわよ。」
透「そうか? じゃあ、行くぞ?すぅ…はぁ~~スペルカード!ユメ『狂う者』!」
透「あれ? 失敗か?」
霊夢「いえ。カードは光ったから、発動はしてるわね。」
ルーミア「……魔理沙?」
ルーミアが動かない魔理沙の肩を揺すろうとしたら……その場で魔理沙が倒れた。
透&霊夢「魔理沙!?」
急いで近づくと、気を失っているようだ。
透「お、おい!魔理沙!!」
霊夢「とにかく!居間に運ぶわよ! 透は、魔力の供給をカットして!!」
透「分かった。俺が運ぶから、霊夢とルーミアは看病の準備をしてくれ!!」
霊夢「分かったわ!!」
ルーミア「分かった!」
俺は、魔理沙を背負い、霊夢とルーミアの後を追って家の中に入った。
――霊夢の家の居間――
ルーミア「魔理沙~~」
霊夢「透……その、スペルカードは何なの?」
透「俺にも分からない。
……クソッ! 何で自分のカードなのに……」
魔理沙が倒れてから、30分は経っていた。
霊夢「……カードの効果を受けて、気絶したって考えるのが妥当でしょうね。」
ルーミア「魔理沙は、何かを見て寝たのかな?」
透「さぁ…な。」
霊夢「それは、魔理沙にしか分からないわね。」
透「魔理沙……」
――夢の中――
魔理沙「ん? ここは……どこだ?」
霊夢?「魔理沙。」
気が付くと霊夢が後ろに立っていた。
魔理沙「よぉ。霊夢もいたのか。」